働き方の多様化が進み、自分に合ったワークスタイルを以前より求めやすくなった今日この頃。あなたは今どのように働いているでしょうか。
私は今、都内IT企業の“正社員エンジニア”として日々業務をこなすなか、水面下では来たる2025年の春ごろを目標にフリーランスエンジニアへの転向に向けて情報収集、準備を進めています。
今回は、私と同じく正社員をしながらフリーランス転向を狙っている人へ向けて、フリーランスエンジニアへのロードマップを記事にしました。ぜひ、本記事を読んでフリーランス転向を一緒に目指しましょう。
1. フリーランスとは何か
フリーランスは、特定の会社や組織に属さず自分自身の力で働く職業です。自由な働き方が可能で、自身のスキルを様々なプロジェクトに活かすことができます。
1.1 フリーランスの定義
フリーランスとは、固定の雇用契約に縛られず自分の専門知識やスキルを活かして直接クライアントから仕事を受ける働き方です。
例えば、Webデザイナー・ライター・コンサルタント・エンジニアなどが含まれます。
1.2 メリットとデメリット
フリーランスのメリットとして、時間や場所の自由度が高く、自分のペースで働けるという点が挙げられます。クライアントと直接契約になることが多いため、中抜き(マージン)など発生せず単価=収入に直結することから経済的メリットもかなり大きくなります。
その一方でデメリットになるのが、長期的にみると収入面はどうしても不安定になりがち。継続的に仕事を続けられる、仕事を頂ける環境の維持はマストと言えます。また契約や税金関係などすべて自分でやらなくてはいけない点にフォーカスすると、タスク管理や自己管理がしっかりできる人でないと続けることは難しくなります。
2. フリーランスになるための必要条件
フリーランスとして成功するためには、自己管理能力と特定のスキルセットが不可欠です。
2.1 自己管理能力
自己管理能力とは、時間を効率的に管理しプロジェクトを期限内に完了させる計画力のほか、契約周りや確定申告など信頼担保とお金管理も内含します。
案件が決まり、クライアントと準委任契約(履行割合型、成果完成型)を結ぶ時、どちらの契約型でも稼働時間または納期という時間事情があるため、総合的な管理力は人並み以上に持ち合わせなくてはいけません。
- 履行割合型
- 成果完成型
委任業務の遂行にかかった時間、工数に対して報酬が支払われるもの
納品物に対して報酬が支払われるもの
2.2 適したスキルセット
フリーランスとしてのキャリアは、特定のスキルに基づいています。
上記で話した管理力のほかに、単価を決める交渉力、クライアント(プロジェクト)に貢献する技術力が必要です。これらのスキルは基本的には現場で培われたものが活かされることが大半です。
しかし、教育機関での学習・オンラインコース・独学を通じてある程度習得することもできます。現場という実践に勝ることは難しいですが、そういった環境がない人がやる、やらないのとでは大きな差を生みますので、できることから手をつけていきましょう。
3. フリーランス成功のための具体的なステップアップ方法
フリーランスになるためにはもちろん計画的な準備が必要です。勢いでフリーランスになるのはとてもリスクが大きいので、自分の市場価値を知るなどのリサーチは欠かさずに行いましょう。フリーランスとしてどのように成り上がるべきか、下記で説明します。
3.1 コンセプトと目標の設定
まず、自分が目指す業界や分野を明確にし、どのような価値を提供できるかを考えます。志望する業界を早いうちに決めておくことに越したことはなく、そこから専門知識を習得することがとても重要です。専門知識の引き出しが多ければそれだけで付加価値になりますし、業務への理解も深まるでしょう。
3.2 セルフブランディング
自身の特性や価値を伝え、周りに認知されるようにします。自己紹介、能力の説明、実績の共有を通じて独自のブランドを作り上げていきます。
すぐにブランド化できるわけではありませんが、常に自分の得意を研究しつつ、誰にも負けない権威性を獲得することが主目的になります。
3.3 ゴール設定と行動計画
目標を設定し、それを達成するための具体的な行動計画を作成します。何をいつまでに、どのように達成するのかを明確にし、その計画に基づいて行動します。
中・長期でそれぞれ目的を決めることで軌道修正も楽になりますし、成長の軌跡が分かりやすくなります。
4. フリーランスとしてのビジネススタイル
フリーランスになることを決めた後、エージェントに登録するのであればあまり必要ないかもしれないですが、自分で案件を獲得するためにはもちろん営業を行う必要があります。
営業と聞くと腰が引ける方もいるかと思いますが、インターネットに強いエンジニアならではの方法や、人脈戦術で案件にたどり着く方法など、得意な方を選択できることが醍醐味でしょう。以下で解説します。
4.1 ソーシャルメディアの活用
ソーシャルメディアを活用して、自身のブランディングを強化しましょう。LinkedInやFacebook、X(旧Twitter)などでポートフォリオを公開し、コネクションを作ります。
体感ですが、Xではネームに「フリーランスエンジニア」と入れて定期的にポストしていれば、声をかけてくれる人がちらほらいるように感じました。特にエージェントを探している方はこの方法がかなり有効で、私は一日多くて4人のエージェントさんからDMやリプライなどでお声をかけられました。
実際にはこのようなDMが送られてきます。
4.2 横のつながりを広げる
エンジニアが集まるイベントには積極的に参加しましょう。特にフリーランスエンジニア限定の集まりなどはとても貴重なお話をいただけることもあり、そこで案件受注→完了すれば評価によって継続的なお仕事の依頼を受けることがあります。
5. フリーランスとして長続きするためのポイント
冒頭で説明した通り、収入面においてフリーランスエンジニアである以上安定はしません。会社員のほうが安定しているとも一概には言えませんが、少なくともフリーランスエンジニアよりは安定しているでしょう。
しかし、長続きさせるポイントをしっかりおさえて実行に移せれば、食いっぱぐれることはまずないと私は思います。
5.1 バランスの取れた生活を送る
「ワークライフバランス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。仕事とプライベートの両方を充実させ、幸福度を高めることです。適度な休息を取り、定期的な運動や健康的な食事で心身ともに健やかな生活を心がけましょう。
私は最近ジムに行き始めたこともあり、食事や睡眠の質にこだわるようになってからストレスというものをあまり感じなくなった気がします。それでも感じるようなら、お金をかけてでも好きなことをする時間を作りましょう。
5.2 ネットワーキングと人間関係
新たなクライアントとのつながりを作り、業界のトレンドを理解し、良好な人間関係を築くことが大切です。
常に慢心せず、相手にはGiveし続けることを心がけると、クライアントからはお墨付きがもらえるはずです。
お金は対価ですが、違う見方をすると、見える感謝のエネルギーだと私は考えます。
感謝の数だけお金がもらえる。そう考えて差し支えないでしょう。
6. フリーランスの市場動向を分析し自分の将来図を描く
フリーランスになると単価という言葉を意識するようになると思います。単価は高ければもちろんいいのですが、上げるためにはどうすればいいのかと悩むはずです。
下記では具体的な単価UP方法について一部解説します。
6.1 現在の市場価格を正確に把握し交渉で勝つ
デジタル化の進展により、フリーランスとしての活動が容易になっています。リモートワークの普及やプラットフォームの出現により、フリーランスエンジニアの需要が増加しています。
エンジニアは現在引く手あまたで、自分を市場価格以下に設定すれば案件は取れるはずです。
しかし、利益を追求するのであれば最低でも市場価格に設定するべきで、それより上を目指すなら交渉力を身に着ける必要があります。
ここでの交渉力とは、主に以下の三つです。
- 折れないメンタル
- 付加価値のプレゼン力
- 相手の懐事情を掴む力
上記を簡単に説明すると、
①相手が値引き交渉をかけてきても自分で決めた最低ライン(単価)を下回る金額で契約しないこと
②自分の言い値が市場価格より高い場合にそれに見合った付加価値を相手にしっかり伝えられること
③相手が払える払えないのギリギリのラインを捉え、その払える金額で契約できること
これらを意識して、Win-Winの関係を築くことが理想です。
6.2 将来予測と対策
高度な技術や専門知識を持つフリーランスエンジニアの需要は年々増加しています。一方で、能力が平均的なエンジニアは今後単価が上がっていくとは考えにくく、AIがより進歩すれば淘汰されてしまうでしょう。
将来生き残るためには、万能型よりも特化型を目指してスキルを磨き、“この仕事にはこの人”のポジションを取れるよう対策を打っていくべきだと考えます。
そのためには自己分析に多くの時間をかけること。「周りより得意なこと、好きなことはなんだろう…?」これを深堀りします。
仕事だと感じず遊び感覚でできるものがあると最強です。
私の場合、言語はJava(Spring Boot)が得意で、仕事が終わったあとは家でWebアプリケーションを製作しているくらい熱中しています。あなたにはそういった熱中できるものがあるでしょうか?
まだないのであれば、いろんな言語に触れてみたり、作ってみたり、そういったことにお金や時間を投資しましょう。
将来求められるエンジニアになり続けるためには、特定の言語で開発経験を積み、上流から下流、フロントからバックエンドまで行えるフルスタックエンジニアになるのが確実かなと思います。もちろん管理側に立つのもアリですが、それを行うのにも経験や実績が必要なので、どの道経験を積み続けることが重要です。