こんにちは。Emiru (@emiru_rn) です。
ニューヨークシティ(New York City)のイメージってこう、キラキラした感じですよね。一度は訪れたいと憧れる人も多いのではないでしょうか。
しかし、僕がそこで目にしたのはそれとは全く違う貧富の差なんです。
今回は同州の大学からバスで数時間かけてニューヨークシティに行った時の話、そこでみた光景について綴っていきます。最後まで読んでいただけると幸いです。
常識外れな夜行バス
時は遡り、2017年の11月、「Thanksgiving Week」という連休の頭に、僕は友人たちと学生の間で広く認知されていた激安夜行バスChinese Bus:チャイニーズバスでシティへと足を運びました。
その“やばい”バスがこちら。
出発は0時
指定されたスーパーマーケットの前に続々と集まってきた、明らかに普通ではないそのバスは、NYC行きには相応しくないスラム感たっぷりで、窓のスモーク(黒フィルム)がそれを助長させていました。
中から降りてきたのはたどたどしい英語を喋る中国人たち。「これ大丈夫なの?」といろんな意味で不安を隠せなかった僕と友人。
けれど、「シティに行きたい!」という気持ちが抑えきれず、構わず他の学生についていくようにバスに乗車。“賃金の要求もないまま”予定通り0時に出発しました。
いざ、シティへ…。
夜のニューヨークを爆走する
バスが出発して間もなく、高速道路へ入ると「グおぉん!!」と激しい音が車内を響き渡り、外を見るとどんどん車が追い越されていくではありませんか。え?!と思って運転席を見てみたら、なんとスピードメーターは驚異の160km/hを指していました(汗)
ニューヨークの高速道路は約105kmが制限速度なので、約60km/hのスピード違反…。
ただただ恐怖でしかありませんでした。
黒尽くめの男
バスが出発してからおよそ2時間。トイレ休憩と言ってガソリンスタンドのレストエリアに止まったのですが、どこから来たのか全身真っ黒の男が急にバスへ乗り込んできました。
男は「トゥエニダラー」とだけ呟く。
$20よこせと。
どうやらここで賃金を支払うようで。
本来ならシティへは電車を使えば$70はかかります。しかし、それが$20で済んでしまうというのであれば、文句は言えません。
お金を払うとニコッと笑みを浮かべて、その後バスを降りていきました。
でも特に個人情報も教えてないし、このまま目的地につけば大丈夫。そう思っていました。
高速道路でバック
3時間は走った。周りはビルに囲まれ、これが摩天楼かと。
しかしそれまで快走してきたバスでしたが、ある時急に止まりだしどうしたんだという状況で車内は騒然。
すると次の瞬間、「道を違えたから、バックするね」と、高速道路上でありえない発言をボソっと。
どうやらY字に入った際、道を間違えたとか。
いや、愚の骨頂すぎる…。人を乗せている者の発言とは到底思えない。辺りは暗く交通量も少ない区間。しかし0ではありません。
タイミングを見計らっては車のギアをR(リバース)に入れ、どんどん後ろにバックしていくバス。
僕たちも安全を見守る中、バスは正規ルートには戻れたものの、不安の二文字はD(ドライブ)で前進していきました。
ニューヨークシティ到着
出発から約3時間半が経過してバスは無事に目的地へ。到着した場所はシティの中でも陰気なChina Town(チャイナタウン:貧困地域)。
降りるとそこは、ニューヨークだとは思えない年季の入った集合住宅が辺り一面を覆い尽くしていて、たくさんの人が密かに、そして互いに寄り添い合うかのように暮らしている光景が目に飛び込んできました。
ドーナツ屋さんに入って注文するや否や、それを待っていたかのように分けて分けての合図を店外からこちらに向けて飛ばす老婆の姿。そしてそれを無視すると店まで入ってきて真横で同じことをする。すぐさま店員が駆けつけ、強い口調で追い出す。
その光景を見るだけで少し心が痛むというか、断ったのは自分だが、その一連の流れを見ているのは本当にくるものがある。そういった感じでした。
見えない世界
僕はシティに着いてすぐ、暗くどんよりしたその街並みに情を動かされました。すれ違う人皆が、何かを訴えるような目でこちらを見てきます。「お金を下さい。モノを下さい。住むところを下さい」。英語で話したり、中国語でぶつぶつ何かを話している人もいましたが、友達曰く、上記のことをただただ話しているだけだと。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
僕は一人一人に断り続けました。
そう断り続けないとしつこくしてくる人もいるので。無視をすると余計近づいてきたりします。貧富の差が激しいとは聞いていましたが、僕が思い描いていた“ニューヨークシティ”とのギャップも相まってか、かなりの衝撃を到着早々受けました。
最後に
幸い、特に大きな事故や問題は起きずに済んだのですが、一つ改めて思ったことがあります。それは、「自分の命を大切に」。
当たり前かもしれません。それは僕も重々理解していますが、こういうのって自分がそういった経験をしてみないと分からないものです。僕の場合、激安だからという理由でこの“サービス”(Chinese Bus)を利用しましたが、もしかしたら大事故に遭って命を落としていたかもしれません。
正式な公共機関を使った場合でもそのようなリスクは多少はありますが、明らかに確率は低いですよね。少なくとも僕はそう思っています。
この記事を読んで、僕を反面教師としていただければ幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ではまた次の記事で。
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